実は小津監督の作品を初めて観たのですが、いや、これは噂に違わぬ素晴らしい作品です。どんな映画かもわからずにただ見始めたわけですが、徐々に徐々に作品の中に入っていけました。まず、僕が住んでいる北鎌倉が舞台だったこともあります。冒頭から北鎌倉駅や周辺の風景が差し込まれるカメラワークに「お、お、お」といった感じで引き込まれてしましました。
それに、年頃の娘と父の関係を軸に展開してゆくストーリーにも自分の娘の将来がダブったりで、更に感情的に同調しながら見る事ができたのもそんな感覚を増したのかもしれません。
清々しいまでのシンプルな構成と演出ですが、それでも登場人物の心情や全体を通した情緒がしっかり伝わってくるという優れた作品だと思います。小津監督の他の作品も是非見てみたいと思いました。
ほら、現代の映画やドラマってどこか演出が過剰だと思いませんか?特に演技に。僕はそう感じる事があるんですよね。ちょっと食傷気味です。
実は続編5作目(!)というハリウッド超大作アクションの某作品を往路の機内で見たのです。ですから余計にこの2作品の対比が印象深く残りました。
「お粥とお漬け物」VS「"メインはステーキ"のフルコース」の対決は「お粥」の圧勝となったのでした。
※といいますか、バルセロナから出したハガキがまだ届きません。もうすぐまた海外出張に出てしまうというのに・・・