2013/06/22

『小津安二郎監督:「晩春」を見ました』

小津安二郎監督作品の「晩秋」を先日の出張帰りの機内映画で見ました。

実は小津監督の作品を初めて観たのですが、いや、これは噂に違わぬ素晴らしい作品です。どんな映画かもわからずにただ見始めたわけですが、徐々に徐々に作品の中に入っていけました。まず、僕が住んでいる北鎌倉が舞台だったこともあります。冒頭から北鎌倉駅や周辺の風景が差し込まれるカメラワークに「お、お、お」といった感じで引き込まれてしましました。

それに、年頃の娘と父の関係を軸に展開してゆくストーリーにも自分の娘の将来がダブったりで、更に感情的に同調しながら見る事ができたのもそんな感覚を増したのかもしれません。

清々しいまでのシンプルな構成と演出ですが、それでも登場人物の心情や全体を通した情緒がしっかり伝わってくるという優れた作品だと思います。小津監督の他の作品も是非見てみたいと思いました。

ほら、現代の映画やドラマってどこか演出が過剰だと思いませんか?特に演技に。僕はそう感じる事があるんですよね。ちょっと食傷気味です。

実は続編5作目(!)というハリウッド超大作アクションの某作品を往路の機内で見たのです。ですから余計にこの2作品の対比が印象深く残りました。

「お粥とお漬け物」VS「"メインはステーキ"のフルコース」の対決は「お粥」の圧勝となったのでした。

※といいますか、バルセロナから出したハガキがまだ届きません。もうすぐまた海外出張に出てしまうというのに・・・

2013/06/16

「初めて海外から『葉書』を書いてみた」

約一週間にわたる今回の出張も最終日を迎えました。業務的ミッションについては期待以上の成果を持ち帰る事が出来そうで大満足しています。

そして、久しぶりに良い意味で「海外で上がる」という感覚を得ることができた事も特筆すべき点です。「上がる」→「発想や行動を変える(新しいものを取り入れる)絶好の機会」的なことを前回エントリーでも書きましたが、今回はまさにそんな感じです。それはBarcelonaという(人、気候、食べ物、街・・・において)素晴らしい土地が少なからず影響していると思います。この感覚は忘れずに持ち続けたいと思います。

そしてそんな影響からか、初めて海外から「葉書」を書いてみました。メインは娘宛なのでオールひらがなです。同行した女性スタッフから海外に行くと友人に必ず葉書を出しているという話を聞き、考えてみるとe-mailやチャットなどのツールはコミュニケーションには便利ではあるけども、大切な人と「記憶を共有する」という点では後々まで物理的に残される葉書のほうが優れているよなと思いました。で、触発されて書いてみた訳です。恥ずかしながら初めて切手や葉書を買う行為も何気に面白かったです。

一枚の葉書が、娘と一緒にいつかこの地を訪れることになるきっかけになるかもしれませんしね。(そうあって欲しい!)

これまで、そういった「心」をあまり持ち合わせていなかった自分ですが、これなども小さいことではありますけど、海外に来たからこそ気づけたことと言えます。

というわけで、東京や鎌倉、シンガポールでもどこにいても、感受性を豊かに保つよう心がけてゆこうと改めて思った次第です。あと、実際の行動もね。

ちょっと余談ですが、「これはすごいチャンスなんですよ!」とスタッフに誘われてその存在を初めて知ったこちらのイベント。僕は終ぞ行動に移せませんでしたが、ネットで調べてみると本当にすごいんですね。こちらではそれなりの年配者もガンガン楽しんでいる様です。いつか絶対!

Sonar festival

我々世代でも大好きだったあのPet Shop Boysも出演していたそう。(今では大御所扱い・・・)

海外事業:始めの一歩について

当社では海外事業が急ピッチで進んでいます。つい先日、英語版サイトもリリースしました。

リリースに先立つおよそ半年前から、進出国を含む事前リサーチをまずは役員間で進めてきました。そして、最近では役員以外のメンバーの海外出張もどんどん増えてきています。良い流れです!

そんな折、現在僕はコンテンツの調達チームとスペインはバルセロナにやって来ています。業界関連のイベントCEPICへの出席の為です。

こちらでは、彼らと一緒に行動を共にしていて何だか良い兆候に遭遇することができています。例えば食事の時など、自然と会社の話題などが中心になっているのですが、当然海外視点の話が盛り上がります。そして、その熱気というか流れが日本の会議室で話している時と少し違う空気を感じる事が多いのです。どちらかというとよりポジティブな議論に繋がっていることが多いようです。

それは、きっと知らない海外の土地に来ていることで、僕らの脳が新しい刺激を受けて活性化していることが影響しているんじゃないかと思うのです。何より自分自身がそう感じています。

例えば海外旅行に行くと、良く日本では買わない服をつい買ってしまったりすることってありますよね。それは「海外かぶれ」と一般的には否定的な意味の言われ方をしますが、僕はこれ自体はある意味悪いことではないなと考えています。むしろ停滞していた発想や行動を変えられる良い機会になっているんじゃないだろうかと。

だから、服を買ってしまう、という行為はしないよりもよりもした方が良い。そして後に「やらかした」と感じてしまうこともそれ自体はプラスの経験を積んだんだと捉える方がしっくりきます。変な服やモノでも感性に響いたら迷わず買ってしまえばいいんですよ。そのうち、以前は気づかなかった自分に似合うスタイルが見つかるかもしれません。いや、その様な行為の繰り返しがむしろ最適なスタイル作りに近づいているということだと考えられます。つまり海外に行って「上がった」瞬間の状態を大切に活かすべきなんですね。

インターネットを活用したウェブサービスに国境はないと言われます。しかし、現地の国を肌で感じる事が出来なければやはり「何か」がズレたままになってしまうものです。コンテンツ自体は言わずもがな、サイトに表示されるテキスト一つとってもそうですし、もう少し大きな視点で言えばUI含むデザインなんかにも少なからず影響してくるはずです。

ですから、まずは関わる人達が現地に赴いて肌で現地の事情を肌で感じ、その地にかぶれてみて、色々な議論をしたり、何か冒険してみることです。そしてそれらの経験をフィードバックするサイクルを回していければ、徐々に最適な方向が見つかってくるんじゃないでしょうかね。自分に似合う服を見つけて行く作業と同じで。

「まずは上がってみること」を恐れるな!です。

2013/06/01

National Museum of Singapore (シンガポール国立博物館)

同僚が一旦帰国したので、来星後初の休日は一人で過ごすこととなりました。こんなことはこの数年なかったのでちょっと楽しんでしまいました。

Fort Caning Parkというシンガポールの歴史に触れられる公園をひと周りて、National Museum of Singaporeに行ってきました。 ここは、歴史に焦点が充てられている博物館で、ラッフルズ上陸の遥か昔の14世紀から現代までをストーリ仕立てで追う事ができます。前のエントリーで紹介した「物語 シンガポールの歴史」を読んでいたので、ある程度の事前知識を持っていた分、色々と気付きがあったりで多くの知的な刺激を受けてきました。

勿論、第2次世界大戦で一時日本が占領した時代もあって、この時代についてはすこし複雑な気持ちになったりもしました。若干思考が止まってしまうのは、自分が無知だからでもあるので、それなりに自分の考えが持てる様、機会を見つけて学んでおこうと思いました。







その後は、立ち並ぶ大きなショッピングモールを眺めながら、シンガポールの目抜き通りであるOrchard streetをぶらぶら歩いてきました。

とあるファストファッションの店では、4−6歳向け女の子娘向けの可愛い服をあれこれ見ていたら、なんだかちょっぴり淋しい気持ちになってしまい困っちゃいました。

一人で知らない土地を歩き回り、気の向くまま店を覗いたり、立ち止まって人々の動きを眺める。。。何とも自由で贅沢で、精神的にも充電ができた一日でした。

今度は是非家族と一緒に訪れたいです。