2016/11/30

タフでハードであるためには

「タフでハードであるためにはこういう細部に気をつかっていなければだめなのですよ。細部を無視すると、遅かれはやかれ、全体に復仇されるものなのですよ

これは、開高健のエッセイで”レザーベルト”について語ったある作品のシメの言葉だ。このセンテンスに触れたくて度々読み返している。

僕自身、タフでハードに仕事をしていきたいと熱望しつつも、時折バランスを崩しがちで実態はそうなれていない。だからこそ、なのだ。

ヘミングウェイや開高健が好きでタフを装っている人は、割とそんな人が多そうって思ってるんだけどうだろうか。


2016/11/29

自分文脈を通してみた『トーマス・ルフ / Tomas Ruff (写真家)』

写真家トーマス・ルフに非常に関心を持っている。

といっても、芸術的にというわけではない。

実は、芸術とは何か、について深く考え学んできたタイプの人間ではないので、芸術作品としてどうよ、と問われても答えに窮する。

とはいえ、ずいぶん前に読んだ村上隆の”芸術起業論”のインパクトがめちゃくちゃ強かったこともあって、相当のビジネス的論理が入り込んでいる世界なんだな、というわりと現実的な感覚は持っていたりする。
この本には、アートには歴史的な文脈の理解が必要だし、市場に対するマーケティングの視点も成功のためには重要な要素である、といった趣旨のことが書いてあったように記憶している。

しかし、文脈といえば、そもそも「自分自身」というものがあるではないか。自分文脈とでもいえばいいのかな。自分が生きてきた歴史は自分が一番良く知っている。

むしろそこには他人が学ぶことができない自分だけの文脈が存在している。何を食べ・飲み、読み、経験し、誰と出会ってきたか、、、、それらが年月をかけて蓄積されてベースが出来上がる。そして何かしら影響を受けた作品をそのベースに載せて眺めてみる。そんなところから得られるインスピレーションは、かなりオリジナルなものになるはずだ。

トーマス・ルフでいえば、僕は彼の創作アプローチ方法にそんな自分文脈との接点を見出すことができた。それは、この10年程携わっているストックフォトである。

彼の作品の多くは、世の中にすでに存在している素材(デジタルやネガやプリント)を活用して制作されている。例えば、jpgシリーズ。911激突直後の噴煙が立ち込めるビルの作品などはその最たるもの。

以下の本人のコメントに代表されるアプローチは、まさにストックフォトと通じるものを感じる。
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そして気づきました。
インターネットは膨大なイメージ流通の供給源であるということに。
私が試みているのは、圧縮された画像を、ネット上に流通するイメージの再現/表象として提示することなのです。
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(芸術係数BLOG/トーマス・ルフ「JPEGシリーズと過去の重要な作品について」より引用)


『膨大なイメージ流通の供給源』とPIXTAをダブらせてみたりして、これは強引なこじ付けかもしれないが、勝手にワクワクしてしている。

超有名アーティストが写真をこのように捉えていることは、ストックフォトの可能性を大いに感じさせてくれる道筋の一つになっている。

余談だが、トーマス・ルフというアーティストは、そういった既存のアートシーンのコンテクストを疑い、意識的に逸脱して創る世界観が特徴的なのだと一般的には言われているようだ。

NewsPicks↓↓の記事は解説として的を得ていそう。

「トーマス・ルフ」はビジネスパーソンの一般教養だ」

ともかく、これからも目が話せないアーティストであること間違いなし。

※トーマス・ルフの作品をもっと見てみたい方は僕のPinterestも覗いてみてください。随時pinしてます。





2016/11/28

Living with gratitude

ストリートアートで有名なBanksyのtweetから.

僕はビジネスに取り組むことやあれやこれやと試行錯誤する人間の向上心は否定しない。だけど、彼のこのtweetは本当にそうだよなぁと思う。今持っているモノ、コトに少しでも感謝していけない人は、何かを成しても虚しいだけだ。

次に進むにしてもいつもまずはそこか始まる。

これまで親、親戚、友人、先輩、後輩、知人の皆様、そして家族にどれだけ迷惑をかけ、そしてお世話になって今というものがあるのか。ふと思いつくだけでもあれやこれやと浮かんでくる。

そして、確実に不義理が感謝を上回っている僕の人生。

マジでこれから挽回していかなくては。

2016/11/27

期待の新人

健康管理の大事さがプチバズっている昨今、僕の場合は金曜の夜に深酒してしまうこの悪しき習慣をなんとかしたいというのが目下のテーマだ。

とは言え、その場にいるメンバーに請われると嫌と言えない、いや、むしろ喜んで率先してしまうという長年培った性質も絡んでいるので、事はなかなか複雑だなぁと考え込んでいる日曜日の昼下がり。


photo credit: joshuawoodhead A German Game Night in Deutschland via photopin (license)

さて、仕事(ピクスタ)においては、もう日々いろいろなことが起こっているのだけど、特に感慨深いことは、今年も多くの新たなメンバーがその軸足をウチの会社に移してくれたこと。

世間でも良く言われるているけれど、仕事/職場は人生の多くの時間を使うところ。どこかで振り返った時に、良い選択だったよねと互いに肩を叩き合えるような関係を作れたら素晴らしい。

身近なところでいうと、僕の管掌する部署にも最近期待の新人が加入してくれた。彼女は、そのキャリアの軸であるビジュアルクリエイテブの発揮の場を、女性誌からインターネット業界に移すという判断をしたのだ。

言われて久しい紙からネットへの動きではあるけど、人材の動きも同様に活性化しているのは採用活動の中で実感している。アウトプットが紙かネットかという違いはあれど、ビジュアル制作における土台は共通している部分がかなり多い。彼女ら/彼らの経験は当社でこそ大いに役立つだろう。

ピクスタのメイン事業であるストックフォトという分野の魅力をもっと発信し、そんな人々にも勢いのある企業として注目してもらいたいと切に願っている。

僕の来年の最重要タスクは人材発掘。オンライン・オフライン共にどんどん活動していきたいと考えている。

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というわけで、そんな期待の新人N女史の歓迎会を先週末に開催したのだけど、ご本人が一次会でお帰りになられたにもかかわらず、僕は三次会まで突入してしまったことを報告しておかなくてはならないだろう。

本当に懲りないおっさんだなと静かに反省している。





2016/11/21

まるで写真

ハイパーリアルな鉛筆画のギャラリー超リアルな鉛筆画。

すごいな、と思って他にもあるのかなと探していたところ、この記事にたどり着いた。
まるで写真!自閉症の画家が描いた表紙が話題に 作者の父に思い聞く

自閉症の方は「他人は心を持たない物体のように感じることがある」らしい。

彼らの描く絵を見ていると、自分の信ずる道を愚直に突き進むのもありだなと思えてくる。