2014/10/18

啓蒙よりもコミュニティ

現在の私の仕事では、ストックフォトをアジアに広めるという活動がかなりのウェイトを占めています。

この活動を象徴する表現として、これまで折に触れて啓蒙という言葉を使ってきました。

しかし最近は「アイデアはシェアされると拡散する」と"MAKERS〜21世紀の産業革命が始まる"という本の著者であるクリス・アンダーソンが使った言葉が、改めてグイグイと脳髄に染み入ってくるのを止められません。

最初にこの言葉に触れたとき、実は頭の片隅では良いアイデアは自分でさっさと実現すればそれで良いのではないか、と懐疑的に捉えていた部分もありました。しかし、その考えはどうやら改める必要があるかもしれないと最近感じています。

ある事柄の浸透を図るような仕事を異国の地で取り組んでいると、何かを拡散させるにはコアなコミュニティへのアクセスがきっかけとなることが多いということを経験的に実感しています。

そういう意味では、私達が行なっているのは「啓蒙」という少し上からの立ち位置ではなく、「ストックフォトクリエイターのコミュニティ作りをサポートしいる」との表現の方が実際はより正確だと思われます。

例えばストックフォトにおける人物撮影は、個人で取り組むには少々ハードルが高いので、クリエイターにとっては、クリエイティブ自体のアイデア交換はもちろん、撮影方法や組み立て方などにおいても共に試行錯誤出来る仲間がいるというのは、とても心強いものなのです。なのでもっと端的に言えば「仲間作り支援」と言えるかもしれませんね。

もし私が再びストックフォトクリエイターとして独立するとしたら、そういった世界中のコミュニティに参加することから始めるでしょうし、実際に自分でもコアなコミュニティを率先して立ち上げていくと思います。

繰り返し言いますが、

アイデアはシェアされると拡散する

そして猛スピードで拡散されるアイデアは、様々な形に進化していくことになるでしょう。

そこのところの情報や感性を掴んでおくのは、進化系クリエイターの創作活動にとっては極めて重要だと思うのです。

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