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想像していた内容とは全く違っていたので、読み始めからとても刺激的でした。
もっと山あり谷ありの冒険ものかと勝手に想像していたのですが、基本的には流れついた無人島を舞台に、どちらかと言うと粛々とした20数年間にも及ぶサバイバルものといった趣きでした。
生きるために如何にしても食料を確保するのか、道具や衣服を整えるのかとといったところには、作者の力なのか、創作とは思えないリアルな凄まじさを感じました。
また、アメリカ大陸へ乗り込んだ時の白人の行いや、終いには人食い人種なんかも出てきたりして、物語を構成している17世紀の民族の背景にも少し興味を持つきっかけになりました。
そして何よりも、この物語の根幹をなしていると言えるキリスト教の教えです。それが生き残る上での精神的な支柱になっており、全体を通してかなり宗教色の強い内容となっています。
とは言え、キリスト教徒ではない私にとっても共感出来る言葉や考え方は多かったと思います。
また、彼のサバイバル体験自体は、ついついベンチャー経営にも重ね合わせて読んでました。
過酷な環境の中で生き残って行く為に、あらゆる試行錯誤を繰り返していくあたりは、まさに回答がない新しい事業を推進していくにあたる心構えというか姿勢のあり方を示唆してくれました。
また、迷った時に頼ることになる宗教への信心は、まさに企業で言うところの理念、ビションにあたります。
落ち着き始めてヤバイと感じているベンチャー経営者には一読をお勧めします(笑
クルーソーは、最後に金持ちになって、投資家として優れているというオチがあるのですが、まぁ、そこら辺はサバイバル物語としては何の関係性も見当たらず、若干の興ざめ感は正直ありました。そのパートはいらないんじゃないかな、なんて思いました。
あぁ、冒険に出かけたいな。
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こんな感じて、古典といえども何かを得なければと肩肘を張るのではなく、何にどう感じたかを、素直に大切にする読書を続けていきたいと考えています。
次は、スタインベックの「ハツカネズミと人間」を手に取っています。
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