2012/05/11

効率化するのは何のため?



ハフィントン・ポストはほぼ毎日訪れるサイトの一つだ。移動中の英語の勉強にはもってこいだし、色々な意見に触れることができて刺激ももらえる。そんな新興メディアが素晴らしい賞を受賞した。

しかし、今回注目したのは同社がピュリツァー賞を獲得した事ではなく、400人の正社員を抱えているというところだっだ。

クラウドで記事を集めているのかとばかり思っていたからそれはとても意外だった。これは、我々ベンチャー経営への一つの選択肢を示していると思う。同社が雇用する大勢の記者や編集者は文字通り直接・間接的にコンテンツを生む人たちだ。コンテンツが勝負のサイトであれば、良質なコンテンツを生む人材の集まりはまさにプロフィットセンターだ。そんな人材への投資は、開発陣と並んでもっともっと促進していいのかもしれないなと思った。

「効率化」ばかりを考えていて攻められていないない状況からは、停滞か、悪くすると後退しか生まれない。一番まずいのは、各人の発想が小さくなっていくことで、得られる成果の幅も比例して小さくなってしまうことだ。

効率化や仕組み化はスケール化の為に存在する、ということを今一度強く認識する必要がある。つまりスケールした姿を具体的に描けなければ、仕組み化もへったくれもない。反対に、その先の姿がはっきりと具体的になっているのであれば、実現の為に必要な人的リソースへの投資は、むしろ積極的に打っていくべきではないだろうか。遠慮してはいけない。

「圧倒的に突き抜ける」という目標に本気で邁進していくなら検討してもいい課題だと思った。

そして、もう一点。同社には66歳のベテラン記者もいて、活躍しているという。ウェブサービスは若い人たちで運営しているイメージだが、良質なコンテンツを産む事ができる人たちが若者だけだとは限らない。ベテランであるが故の豊かな経験や知見を積極的に活かすことは、発想やコンテンツの層を厚くする。同社のそういった仕組みにとても興味を覚える記事であった。

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