2012/03/20

EARTHとTHEIAのように


(c)NASA

【人間関係】
良好な人間関係を築くには「思いやり力」の程度が影響します。

互いにとって良い状態であるという場合に「Win-Winな関係」という言葉がよく
使われますが、これは相手のニーズの理解力がなければ成立しません。
その能力は「思いやり力」が基礎になっていると考えています。

しかし何事もバランスが肝要。
この「思いやり力」が強すぎると、相手のレスポンスへの感度が薄まってしまい、
Lose-Winを意識し始めるきっかけとなってしまいます。また、あまりにも気を使い
すぎて相手の間違いを訂正してあげられなかったりと、結果として負のスパイラル
に迷い込んでしまうこともしばしばありますよね。


【ジャイアントインパクト】

そんな時ふと月という存在が気になりました。地球と月は長い間本当に良好な
パートナーシップを築いているなぁ、と。
いつも何気なく視界にはいってくるお月様。地球に月というパートナーがいな
かったら、私達人類は存在していなかったかもしれません。少なくともかなり高い
確率で今のような快適な環境でなかった事でしょう。

月はどのようにして地球のパートナーとなったのでしょうか。
現在では、こちらの説が有力のようです。

ジャイアントインパクト
(Wikipediaより)

テイア(Theia)という火星程のサイズの天体と地球との衝突が両者の関係の起源で
あると。

僕はこの説の中で、①正面からではなかった衝突の仕方、②爆発後の急速な衛星化
過程、の2点に強く惹かれました。
テイア(Theia)は、互いが修復不可能な状態にならないように、微妙な角度から衝突
してきました。そして、外部の力を借りながら急速に地球との関係改善を進める事で
初期の地球の重要なパートナーになることに成功しました。


【テイア(Theia)と地球の想い】

もしも、テイア(Theia)が地球とパートナーを結ぶという目的をもって地球に衝突
してきたと仮定してみると、示唆される事柄へのハラオチする点も多々あります。
ジャイアントインパクトは、人間関係における真のパートナーづくりの方法論
と重ね合わせて考える事も可能です。

例えば、意見の相違などでその人(達)との衝突が避けられないとしたら、
「思いやり」の心をもって、微妙な位置から衝突してみる。そして、その結果発生した
新たな考え方などを取り入れて、全力で関係修復に取組むことが大事なのだよと。

テイア(Theia)の体の殆どはこの衝突で吹き飛んでしまっていました。しかし彼女は
そんな心遣いをもって地球に衝突してきたと考えると、その分身である月には彼女の
意思が宿っているのでしょう。

考えてみれば、私達がそんな月を無条件で愛しているのは、本能と言えるのかも
しれませんね。

そして、その強烈な思いをしっかり受け止めた地球の大きさは、想像の域を超えて
いますね。

【衝突を恐れてはいけない】
そういうわけで、私達は他者との関係を抜きにして生きてはいけません。
テイア(Theia)と地球はただ一回の衝突で強固な関係を築くことができました。しかし、
僕ら人間同士は、「ジャイアント」でなくても、思いやりに立脚したスモールインパクト
と修復を繰り返していく事で良好な関係づくりが可能です。

生きてきた背景、そして意見の相違や好みの違いなどから生じる、「小さな衝突」は、
テイアと地球がかつてそうであったように、人類にとっても必然なのです。

衝突は積極的に受け入れて、修復していく。

これが地球とテイア(Theia)から僕が学んだ教訓です。

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