2015/03/08

古典本系007:自負と偏見



永らく妻に勧められていた本。モームの世界10大小説にもランクインしているし、やっと手に取ることが出来ました。

これまでは恋愛小説はあまり好きではなかったということもありますが、読み切って見て感じたのは、まぁ面白いと言えば面白い。が、何が面白いか、と問われるとよく分からないという不思議な小説だったということです。

17世紀のイギリスを舞台にした貴族世界の中の「結婚」をめぐる”めくるめく”攻防、と言いましょうか、そんな貴族の結婚物語です。
タイトルの通り、プライドの高い紳士に対して主人公の女性が持っていた偏見が、徐々にその味方が変わってくる過程で双方の思いが・・・というストーリーが軸となっています。

構成的には、時系列通りに物語が淡々と進みます。しかし、ただ進行するというのではなく、数多く登場する人物を通しての他人への批評が中心に展開されます。
「あの方は◯◯よね」「私はそうは思わない。もっと◯◯よ」的な。。。
そんな感じです。

もちろん小説ですから、ある程度の起伏はあります。そんな中でも読みどころとしては、登場人物達が初めに抱く強烈な”偏見”がどのように変化していくのか、という点をあげておきたいと思います。

また、妻も言っていたことですが、すれ違いばかりの主人公の二人に「じれったい」と感じる場面は多かったですね。この「じれったさ」が、淡々としたストーリーにある種のスパイスを加えているなと思いました。

最後に、私のような凡庸な男性にはこの本の面白さの核心に近付く事は出来ないのではというのが、正直な感想です。





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さて、次は「忘れられた日本人」を読みつつも、ゲーテの「ファウスト」を読み始めています。いやー、かなり高尚な作品と敬遠していましたが、読んでみるとそんなことはなく、結構世俗的なテーマをちりばめながらの会話形式の構成はなかなか味わい深かそうです。
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