社員の披露宴などでさえ涙無しには過ごせない私ですので、娘の卒園式なんてもう立つことさえ出来ないのではないかと自分では思っていました。
ええ、持って行きましたよ、分厚い「タオルハンカチ」を。こういう場合、どんなに滑らかな肌触りであろうとティッシュでは絶対ダメなんです。
ところが、実のところ割とあっさり終わってしまいました。涙を忘れたオヤジってのは全く可愛げがないですよね。
自分の中でも何か大事なものを何処かに置いてきてしまったような健忘感とでもいいましょうか、なんともいえない気分でしたね。健忘症とも言えますが。
で、何故かというとその原因は「撮影」でした。
当然指定業者のカメラマンさんも入っていて、ベストポジションは彼らが占有しています。
ですので、良いアングルを狙える残りのポジションは父兄間での争奪戦の様相を呈しており、なんとなく殺伐とした雰囲気を感じたものです。
また、用意された父兄席からも多くのカメラの放列が容赦ありません。
そんな雰囲気に呑まれてか、自分もしっかり撮らなきゃという意識が先行してしまい、結果として娘の成長をじっくり感じる余裕が無くなってしまったのです。
そんな環境では結果的に自分の撮影も儘なりませんでしたので、まさに、二兎を追う者は一兎も得ず状態でした。
考えてみれば、結局良い写真は後で買うことになるのでふから、撮影は業者さんにお任せすれば良いのですよね。
最近はわりと簡単に良い写真を撮ることができます。しかし、だからと言ってその瞬間をデジタルに記録しておいて後でじっくり見ればいいや、なんていうのは何となく味気ない考え方だななんて思いました。
その場にいるということは、もっと五感を働かせて感じるべきものを感じる事が大事なのかなと。
自分自身、記録よりも記憶を大切にする人間でありたいと、強く強く思いました。
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