2015/08/02

思考の先走り

例えば、自分の嘗ての成功体験を更に進化させて再現するようなプロジェクトを主導する場合には、一緒に取り組むメンバーに対して様々な注意と配慮が必要だ。

特にそのチームの構成メンバーが、過去の体験を共有できているのか、それともすべてが真っさらの新メンバーなのかによって状況が全く変わってくる。

前者の場合、既にある程度の課題感を共有できているケースが多いので、進化させようとする新しい試みが何に対して新しいのかを直感的に理解出来る。だから、まぁ、一度やってみようか、と直ぐさま検証フェーズに入りやすくなると考えられる。

しかし後者の場合は、その手法の前例が無い新しいものであったりすればそもそもが理解されづらいので、もっと効率的で妥当なやり方があるではないかといった意見が出てきやすくなる。

そして、その「妥当な方法」が得てしてこれまでに試してきたものの後追いであったりするのだ。そんな時は注意が必要だ。

それが実は「いつか来た道」であり遠回りであるという事をファクトベースでしっかり説明出来ないと、新しい施策のどこがなぜイノベーティブなのかに共感と理解を得るのはメンバーが優秀であるほど難しくなる。

従って、プロジェクトのメンバーは時間と共に変わり続けるという前提で考えるならば、新規事業にしても何にしても、PDCAの実行に際してはその過程を適時記録しておき、メンバーの入れ替えの度に共有・振り返りが出来る状態にしておく等の気遣いが必要になってくるだろう。いや、むしろ仕組みとして落とし込んでおく必要がある位だと思っている。

経験者は思考が先走る。プロセスをすっ飛ばして先の事ばかりを語ってもメンバーには響かないのだ。

最近あったある出来事を通して、そんな事を考えさせられている。自戒を込めて。


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